中国といえば、バックドアだ。
これは、習近平も最近、韓国の大統領にジョークとして、このスマホにバックドアがあるか確かめてみてくれ、といったほど。
それほど、恐れられている。
この話はスマホのバックドアならぬ、ノルウェーに導入された路線電気バスのバックドア。
ただし、メンテのためにはこうした技術は必要になってくるため、受け入れる側が不正防止ができるものなのかを確認する必要がある。運営とセットの話だ。
しかし、結局、そうした対策を安価な中国製品に適用しなければならないということだと、中国製をわざわざ選ぶ必要はないということになるかもしれない。
Yahoo!より、
中国製の電気バス、中国から遠隔制御が可能だった…北欧各国が騒然
11/7(金) 10:56配信中央日報

「中国製バス『バックドア』疑惑 — ノルウェーで明らかになった“遠隔制御”の危険性」
(副題:Yutong電気バス問題から考える、技術選択の倫理と安全)
本文
中国といえば「バックドア」のキーワードがしばしば語られます。実際に、習近平氏が韓国の大統領に対して「このスマホにバックドアがあるか確かめてみろ」と冗談めかして語った、という報道もありました。
それほどまでに「中国製技術=遠隔操作・情報収集の懸念」という構図が根強いのです。
しかし、今回問題になっているのは“スマホ”ではなくバス。
ノルウェーで導入された中国メーカー 宇通(Yutong) 製の電気バスが、遠隔で制御可能なバックドア的機能を備えていた可能性が明らかになりました。AP News+1
■ 何が明らかになったのか
ノルウェーの公共交通事業者 Ruter が車両テストを行ったところ、Yutong製電気バスには他社車両にはなかった「遠隔のソフトウェア更新・診断アクセス」が確認されました。理論上は“車両停止”や“機能不能”状態にできるとの見方も示されています。AP News+1
また、デンマークでも同様の調査が始まり、同メーカー製バスを多数運用する公共交通会社がサイバーセキュリティの見直しを迫られています。ガーディアン+1
■ なぜ「バックドア」の懸念なのか?
バックドアとは、あらかじめ組み込まれた“隠し機能”を通じて、機器やシステムを遠隔操作したり、情報を抜き取ったりできる仕組みを指します。今回のケースでは「中国製電気バスに組み込まれた通信モジュール経由で、運行制御システムにアクセス可能だったかもしれない」という点が焦点になっています。
このような構造が「安価な中国製モデルを選ぶ」という判断そのものを疑問視させる動きとなっています。
■ 技術導入側にある“運営とセットの安全”
もちろん、遠隔メンテナンスやソフト更新は現代の車両運用にとって不可欠な技術です。電気バスのバッテリー管理や車両状況のリアルタイム監視を可能にするのは、利便性や効率化の観点から歓迎されるべきものです。
ただし、そこには「システム設計」「通信回線の保護」「アクセス権限の厳格な管理」などの運営側が安全を担保する設計が必須です。つまり、技術選択だけでなく、導入先の体制(運用・監査・更新管理)がセットで機能しなければ、リスクを内包してしまうのです。
■ 「中国製だから避けるべきか?」の判断
この一件から言えるのは、単純に「中国製=危険」という短絡的な結論を出す前に、むしろ「誰が、どう使うか」「どのように制御するか」を見極めるべき、ということです。
ですが、もし“安全保証が十分でない中国製モデルを、コスト優先で導入する”という構図が続くなら、消費者や導入者にとっては「わざわざ中国製を選ぶ必要がない」と判断される可能性もあります。
■ まとめ
- ノルウェー・デンマークで明らかになった中国製電気バスのバックドア的懸念は、技術そのものではなく、導入・運用体制の問題を浮き彫りにしています。
- 遠隔制御や通信モジュールという“利便性の裏返し”としての危険性に、公共インフラが直面しています。
- 安価な製品を選ぶ際には、「価格優先か、安全設計優先か」の選択が見えます。
- 中国製というだけで即「NG」とするのではなく、導入者の運用スキームまで含めて評価すべき時代です。
🔍 参考出典
- “Norway transport firm steps up controls after tests show Chinese-made buses can be halted remotely.” AP News / Euronews. Nov 5 2025. AP News
- “Danish authorities in rush to close security loophole in Chinese electric buses.” The Guardian. Nov 5 2025. ガーディアン
- “Chinese-made buses in Norway can be halted remotely, spurring increased security.” Euronews. Nov 6 2025. euronews


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