Yahoo!より、
「京都大学の給料では京都市内に住めない!」は本当か…? 日本人が知らない「大学教員の給与事情」
文春オンライン
4/22(火) 11:12配信

大学教員の給与は、同じ大学であっても職階や勤続年数によってさまざまであり、どの部分を切り取るかにより、給与が高いか否かは大きく変わってくる。とりわけ重要なのは勤続年数であり、同じ大学に長く勤務していれば、給与は次第に上がるので、特定の大学に早い段階で就職した准教授が、新たにやってきた教授よりも高い給料をもらっている、などという事態も生じる。 最近では「年俸制」に移行する大学も多く、筆者の大学でも一部の教員に採用されている。ちなみに一口に年俸制といっても、そのやり方は毎年の業績により大きく報酬が変化するものから、俸給表による給与相当額を、年俸として形式的に受けとるものに至るまでさまざまである。 また、日本人の平均年収は2022年段階で男性が563万円、女性が314万円、さらに言えば年収の中央値は396万円だから、大学教員の給与がことさらに安いとはいえないだろう。ちなみに2004年の国立大学法人化以前は、等しく文部科学省に所属する国家公務員であったこともあり、国立大学教員の給与は今でも大学が変わっても大きくは変わらない。だから、そろそろ年齢が60代に差しかかろうとする筆者も、京都大学における「高いほうの事例」に近い給料をもらっているので、この点については贅沢は言えない。 だが大学にはこのような「教育俸給表」に沿って給料が支払われる人々のみがいるわけではない。たとえば、非常勤講師は半期2単位、15回の授業を担当しても、せいぜい得られる報酬は20万円弱にしかすぎない。外部資金で雇用される教員たちの給与は、大学の規定ではなく、外部資金側のルールにより決まってくるので、通常、俸給表に沿って給料が与えられる人々よりも低い金額になる例も出る。 給与を「時間給」で与えられている例もあり、この場合には年間の所得は300万円台を切ることもある。何よりもある程度給与が与えられても、「テニュア」が確保できなければ、任期が切れればたちまち無職になる。こうしてみると、大学教員のお金を巡る問題のかなりの部分は、テニュアを得るまでの若い人たちと、安定した立場にいる人たちとの間の格差にあるといえそうだ。
この記事のように、大学教授、教員といっても給与はいろいろ。これは国立大学の場合の記事だが、実際こんなものだ。そして、記事にあるように非常勤講師というのは本当に給与が低い。
2単位、15コマというのは、1コマ90分の授業。そして、まるまるその単位を見るということは、学生の質問にも時間外に答えなければいけないし、レポートか試験を課して採点して評価をしないといけない。もちろん、この15コマの授業のための準備も必要だ。これらを全部入れての金額だ。
ちなみに、こうした授業のうちの1コマだけを教える、という場合は、日本語で授業を行うと90分で12,000円しかもらえない。英語だと16,000円。これが現実。大学は自由でいいのだが、授業を持つとなると大変ということで、授業することから逃れたい教員がいるのも納得できる。
日本語コメント:
この記事が示している通り、大学教員=高給取りというイメージは現実とは大きくかけ離れています。
特に、非常勤講師の待遇は本当に厳しい。
2単位15コマ(90分授業×15回)に加えて、
- 質問対応
- レポート・試験の作成・採点・成績評価
- 授業準備
これらすべてを含めて、たった20万円弱というケースも珍しくありません。
さらに、1コマ90分で日本語授業なら12,000円、英語でも16,000円。
しかもテニュア(終身雇用)がなければ、数年ごとに無職リスクと隣り合わせです。
大学教育は「自由」だけで成り立つものではなく、現場を支える人たちの待遇改善が急務だと改めて感じます。
授業を敬遠する教員が出るのも当然でしょう。
English Comment:
As this article highlights, the common image that “university professors are well-paid” is far from reality.
Especially for part-time lecturers, the working conditions are truly harsh.
For teaching 2 credits (15 sessions of 90 minutes each), including:
- Answering students’ questions
- Preparing and grading exams or reports
- Course preparation
All of this for less than 200,000 yen (around $1,300 USD) in many cases.
Moreover, a single 90-minute lecture earns only about 12,000 yen in Japanese or 16,000 yen in English.
Without a tenure track, many face the risk of unemployment every few years.
University education cannot rely on the notion of “academic freedom” alone.
Improving the treatment of those who support education at the ground level is essential.
It’s no wonder that more teachers are reluctant to take on teaching duties.
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