非常に分かりにくい記事。
中小企業の賃上げを実質1%、しかも5年かけてというと何をやっているんだ?ということになる。しかし、この実質というのがポイントのようで名目は3%で、これは物価上昇率を2%に抑えることとセットだということだ。この差を実質1%と表現した記事。
それでも僅かに見えるが全ての中小企業というところがポイントなのだろう。
Yahoo!より、
政府、賃上げ実質1%定着目指す 中小支援へ5カ年計画
5/14(水) 20:24配信共同通信

記事より、
政府は14日、官邸で新しい資本主義実現会議を開き、2029年度までに物価変動を考慮した実質賃金上昇率を日本全体で1%程度に定着させることを新たな目標として掲げた。実現に向けて重視する中小企業の賃上げを支援するため「賃金向上推進5カ年計画」を公表し、官民で60兆円の生産性向上投資や、国や自治体が発注する事業での価格転嫁の徹底に取り組む考えを強調した。
石破茂首相は会議で「中小企業、小規模事業者の経営変革の後押しと賃上げ環境の整備に政策資源を総動員する」と述べた。今月下旬に労働団体や経済界の代表者と話し合う政労使会議を開き、最低賃金の引き上げ方針について議論することも明らかにした。 政府、日銀は物価上昇率を前年比2%で安定させる方針。今回の政府目標は名目では物価上昇を上回る3%程度の賃上げとなる。
🇯🇵 日本語のコメント
「実質1%の賃上げ」と聞くと肩透かしだが、実は「名目3%賃上げ」が前提。
この数字の“トリック”は、物価上昇率を2%に抑えることとセットになっている点にあります。
つまり、賃金の伸び率が3%で、物価が2%上がると、差し引き実質1%の購買力が上がるというロジックです。
それでも5年間かけて1%というのは見劣りしますが、今回のポイントは「中小企業全体」に広げようとしているところです。これまで賃上げが進まなかった層をどう押し上げていくかがカギ。
ただし、「名目3%」という数字にしても、実現には最低賃金の引き上げと価格転嫁の定着という大きな障壁があります。
絵に描いた餅にしないためには、官民一体での本気度が問われます。
🇺🇸 English Comment
A “1% real wage increase” sounds underwhelming—until you realize it’s based on a “3% nominal wage increase” assumption.
This policy goal hinges on the idea that if inflation is held at 2%, a 3% wage hike will result in 1% real income growth.
The target may seem modest, especially spread over five years, but the real challenge lies in extending wage growth to Japan’s small and medium-sized enterprises, which have historically lagged behind.
However, even achieving the nominal 3% target requires overcoming tough hurdles—notably, raising the minimum wage and ensuring fair price pass-through in supply chains.
Without concrete action, this could remain a policy on paper. The real question is: will the government and private sector follow through?

コメント