高卒だから、高校の偏差値が低いから・・・で何を言いたいのだろうか?
このようなニュースのタイトルは非常に差別的なニュアンスを感じる。
少なくともメディアと名乗るのであれば、このような記事を書くことは避けるのが適切ではないか?
Yahoo!より、
小池知事“全面支援”の現職を破り無所属でまさかの当選「偏差値40の高卒」女性都議が都民ファーストに恐れられるワケ
8/6(水) 9:10配信MINKABU
記事より、
2025年6月の東京都議会議員選挙で、都民ファーストの会、自民党という二大勢力の候補を打ち破り、無所属で奇跡的な当選を果たしたさとうさおり氏。その異色の経歴の原点には、「貧乏子だくさん」の家庭で育ち、19歳で月500時間労働の末に過労で倒れたという壮絶な過去がある。 大手監査法人での安定したキャリアを捨てて政治の道を選んだ彼女が掲げるのは、都政の「ブラックボックス」の解明と徹底した減税だ。既存政党の論理に縛られず、たった一人で都議会に乗り込んだ彼女は、停滞する都政にどのような風穴を開けるのか。その逆転戦略と覚悟の全貌に迫った。短期連載全4回の第1回。(取材日:7月23日)
偏差値40の高卒から公認会計士、そして都ファ・自民を破り都議へ
――今回の都議会議員選挙は、都民ファーストの会、自民党という大きな組織が候補者を立てる中、無所属で、まさに奇跡的な当選を果たしました。本当に見事な勝利でしたね。 ありがとうございます。本当にどうなることかと思いました。選挙戦の最終盤には、都民ファーストの候補者の応援に小池百合子知事が入り、自民党の候補者には小泉進次郎さんが応援演説に入っていましたから。支援してくださった皆様には感謝しかありません。 ――本当にすごい戦いだったと思います。さて、さとうさんの経歴を拝見すると、公認会計士というキャリアが目を引きます。そもそも、どのような経緯で政治家を志すようになったのでしょうか。その原点からお伺いしたいです。 はい。もともとの出身は茨城県なんです。いわゆる「貧乏子だくさん」の家庭で育ちました。4人兄弟です。なので、今でこそ公認会計士という肩書がありますが、大学には行っていませんし、出身高校も偏差値40くらいの学校なんです。
「貧乏子だくさん」の壮絶な子ども時代が政治家人生の原点に
――「貧乏子だくさん」というのは、どれくらいの環境だったのでしょうか。 そうですね、例えば、本当は通いたい高校があったのですが、そこへ行くためのバス代が家計から出せないということで、結局、自転車で通える範囲の学校に進学せざるを得ませんでした。とにかくお金をかけないように、という家庭でしたね。 ――そうなると、生活保護などを利用されていたご家庭だったのでしょうか? いえ、それが、持ち家はあったんです。ローンを返済中の持ち家があると、生活保護の受給はなかなか難しいのが現状です。それに、やはり親には親のプライドというものがあったのだと思います。ですので、生活保護のような公的な支援は受けずに、両親がなんとか頑張ってくれていました。
コメント
このような報道のあり方には、深刻な問題があります。
冒頭から「偏差値40の高卒」という表現を前面に出したタイトルは、本人の努力や成果を正当に評価するのではなく、学歴や出身校をもとに人を判断する差別的なニュアンスを含んでいます。このような見出しは、読者の注目を集めることを目的としたセンセーショナルな表現に過ぎず、メディアとしての倫理性が問われるべきです。
記事の内容を読むと、彼女が非常に困難な境遇を乗り越え、過労で倒れながらも資格を取得し、最終的に政治の道を選んだという点に大きな価値があることが分かります。むしろ、既存の政党を超えて当選した背景には、都政に対する信念や市民との信頼関係があり、そうした部分にこそ焦点を当てるべきです。
「高卒」や「偏差値」という言葉で人をレッテル付けし、あたかも「驚くべきこと」のように見せる表現は、学歴や育ちを理由に人を評価する旧態依然とした価値観を助長するものであり、極めて不適切です。
メディアが社会に果たすべき役割は、人物の背景にある努力や信念を丁寧に伝えることであって、安易な煽りや偏見を拡散することではありません。もし本当に読者の理解を深めたいのであれば、「偏差値40」といった表現ではなく、「逆境を乗り越えた無所属女性候補、都政に新風」など、内容の本質を伝えるタイトルにすべきだったのではないでしょうか。
この報道は、メディアが抱える「無意識の差別」や「話題性偏重」の課題を浮き彫りにしています。今後の報道姿勢において、より丁寧で配慮ある表現が求められます。
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