なんとなく、ラーメン、って言葉が気になって、まずは、日本のラーメンのスープについてまとめてみました。
1 | 北の大地、味噌が燃ゆる(札幌) | 焦がし味噌 | 鶏+豚+味噌 | ラードで炒めた香ばしさ |
2 | 喜多方の水、透き通る信念 | 清湯醤油 | 豚+鶏+煮干し | あっさり+淡い魚介 |
3 | 白濁の原点、骨髄が語る(博多) | 白濁豚骨 | 豚骨のみ | 強火長時間煮出し |
4 | 家の系譜、濃口の対話(横浜) | 豚+鶏の融合醤油 | 豚骨+鶏+濃口醤油 | 鶏油使用(※油は許容) |
5 | 骨と醤油が郷愁を煮る(和歌山) | 濃口白湯醤油 | 豚骨+鶏 | 関西風のキレある醤油 |
6 | 黒と塩の極地(富山) | 醤油特化+塩分濃度 | 鶏+豚+黒胡椒 | 超濃口でのしょっぱさ |
7 | 甘辛の一滴、肉が溶ける(徳島) | 甘口醤油 | 豚骨ベース | すき焼き風味の出汁感 |
8 | 海と脂の交差点(尾道) | 背脂×魚介 | 鶏+煮干し+背脂 | ミンチ脂の甘み |
9 | 唐辛子の記憶、炎の清湯(台湾) | 辛味系清湯 | 鶏+唐辛子 | 辛さと旨味の境界 |
10 | 透明な決意、無化調の静寂(東京) | 淡麗和風だし | 鶏+昆布+節類 | 無化調への挑戦 |
11 | 牛が語る、焦がし香る骨の記憶(鳥取) | 焼き牛骨塩 | 牛骨 | 焦がしと甘みの調和 |
12 | 最古の塩、海のスープ(函館) | あっさり塩清湯 | 鶏ガラ+昆布+煮干し | 原初のスープ回帰 |
少し、分析的に再構成すると、
ラーメン名 | 歴史的背景・系統 | 材料分類(主な構成) | 味の傾向・特徴 |
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札幌味噌 | 昭和30年代、北海道・味噌ラーメンの元祖(龍鳳・味の三平)。中華+北海道の味噌文化の融合。 | 鶏ガラ、豚骨、味噌(赤・白)、野菜炒め、ラード | 濃厚で香ばしい。味噌のコク+油の甘さ。寒冷地向け。 |
喜多方 | 大正末期〜昭和初期。中国由来の「支那そば」系清湯の原型。蔵の街で独自進化。 | 豚ガラ、鶏ガラ、煮干し、昆布、水 | あっさり。出汁の旨味と醤油の優しさが主調。 |
博多豚骨 | 昭和20年代〜。九州の屋台文化から誕生。豚骨100%の白濁スープ。久留米発祥が主流。 | 豚骨(ゲンコツ、背骨)、水 | 非常に濃厚。ゼラチン質多。クセとコクの爆発。 |
横浜家系 | 昭和50年代、吉村家発。博多と東京中華の融合系統。醤油+豚骨+鶏油。 | 豚骨、鶏ガラ、濃口醤油、鶏油 | 濃厚ながら醤油のキレあり。油で深みを増す。 |
和歌山 | 昭和初期から存在。駅前の屋台系が発展。醤油が強く関西らしい味づけ。 | 豚骨、鶏ガラ、濃口醤油、水 | 醤油感が強いが白湯で丸みあり。中濃。 |
富山ブラック | 戦後、労働者向けに「濃い・しょっぱい・飯が進む」系統。元祖B級。 | 鶏ガラ、豚骨、濃口醤油、黒胡椒 | 非常にしょっぱい。醤油・胡椒のパンチ型。 |
徳島ラーメン | 昭和後期、甘辛すき焼き文化と融合。生卵を合わせる形式が定番。 | 豚骨、甘醤油、砂糖、濃口ダレ | 甘辛。肉の旨味と砂糖醤油の濃い味が特徴。 |
尾道 | 昭和中期、港町の背脂文化。背脂ミンチで魚介に厚み。福山・尾道系が混在。 | 鶏ガラ、煮干し、背脂ミンチ、醤油 | 魚介と脂のWパンチ。コク深く塩分も強め。 |
台湾(名古屋) | 昭和末期、台湾人料理人が中華料理をアレンジ。台湾ラーメンは日本独自。 | 鶏ガラ、唐辛子、ミンチ肉、塩 or 醤油 | ピリ辛。清湯で軽いが刺激的。香りと余韻強。 |
東京無化調 | 平成以降。素材追求・化学調味料不使用を宣言した新時代の流れ。 | 鶏ガラ、昆布、節、煮干し、水 | 繊細で奥深い。香り立ち高く余韻が長い。 |
牛骨(鳥取) | 戦後、食肉処理場の副産物活用から発祥。西洋のブイヨン文化と近い。 | 牛骨(焼き)、塩、玉ねぎ、生姜 | 香ばしく、甘味がある。牛脂特有の余韻あり。 |
函館塩 | 明治期の「支那そば」に近い。塩味が主流で北海道では最古系。 | 鶏ガラ、昆布、煮干し、塩 | 透明感とあっさり。海の香りと淡いコク。 |
これから見ると、
大正末期〜昭和初期。中国由来の「支那そば」系清湯の原型。蔵の街で独自進化。
の喜多方ラーメンが、ラーメンのルーツのような気がする。地方の方が伝統が残りやすく、その原型を保って深化するってことがよくありそうだ。
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