アポなし訪米の問題は成果が得られていないこと

なんでもいいのだが、アポなしでもきちんと交渉成果があればいい。

なければ行っても意味がない。それだけの話だ。

交渉なのだから、日本側が何ができるかを国内で決めるのが先だ。交渉カードもなしにディールはできないだろう。

Yahoo!より、

赤沢氏、来週早々に訪米の意向 8回目の関税閣僚協議へ 今回もアポなし?日程明言せず

7/19(土) 19:07配信産経新聞

赤沢氏、来週早々に訪米の意向 8回目の関税閣僚協議へ 今回もアポなし?日程明言せず(産経新聞) - Yahoo!ニュース
トランプ米政権の関税措置を巡り、赤沢亮正経済再生担当相は19日、来週早々にも訪米して閣僚協議を実施したい考えを明らかにした。米政権が相互関税の上乗せ分を発動する8月1日に向け交渉の前進を図る。ただ具

記事より、

トランプ米政権の関税措置を巡り、赤沢亮正経済再生担当相は19日、来週早々にも訪米して閣僚協議を実施したい考えを明らかにした。米政権が相互関税の上乗せ分を発動する8月1日に向け交渉の前進を図る。ただ具体的な日程は明言せず、今回もこれまで繰り返してきた「アポなし訪米」となる可能性がある。行き当たりばったりの対応に日本側関係者からも不安の声が上がる。 赤沢氏は19日、大阪・関西万博を訪れたベセント米財務長官らを応対した後に記者団の取材に応じ、次回の閣僚協議で「わが国の国益を守りつつ、日米双方が合意できる着地点を探す努力を精力的に続けたい」と強調した。 この日はベセント氏と関税措置に関する協議はなかったという。ただ赤沢氏は、1日をともにして「信頼関係が強固なものになった」と語った。 赤沢氏は4月から訪米を繰り返し、臨んだ閣僚協議は計7回に上る。しかし自動車関税を中心に日米の溝は深く、交渉は暗礁に乗り上げている。

🇯🇵 日本語コメント:

日本は現在、対米関税に関して以下のような交渉カードを手元に持っており、これらを活用しながら米国との対話を続けています:

  1. 米国債保有の規模
     日本は1兆ドル超の米国債を保有しており、財務大臣も「これは交渉材料の一つだ」と言及しています。ただし、実際に売却するかどうかは別問題です AP News+7朝日新聞+7Reuters Japan+7
  2. 経済安全保障・半導体分野での協力提案
     日本政府は、数十億ドル規模で米半導体製品を輸入し補助金で支援する案を提示。また、防衛装備品の購入、トウモロコシ・大豆の輸入拡大なども対米貿易赤字削減のカードとして浮上しています Nippon+2朝日新聞+2Reuters Japan+2
  3. EUとの協調アプローチ
     トランプ政権は欧州にも30%関税を突きつけていますが、日本はEUとの「競争力アライアンス」構築を進め、貿易自由化への協調姿勢で影響力を高めようとしています Reutersフィナンシャルタイムズ
  4. 政治・市場を意識した対話の継続
     赤沢経済再生相や石破首相が強い交渉姿勢を示しつつ、米国財務長官ジェンセント氏との複数回協議や参院選後の調整を通じて、粘り強く交渉を継続中です Reuters Japan+1YouTube+1

しかし、FTや日本の識者は「残された有力なカードは乏しい」としており、EUとの合意が得られても効果は限定的だと指摘されています The Washington Post+7Nippon+7フィナンシャルタイムズ+7


🇬🇧 English Comment:

Japan currently holds several negotiation cards to mitigate U.S. tariff threats:

  1. Massive U.S. Treasury holdings
    With over $1 trillion in U.S. government bonds, Japan’s Finance Minister has described this as a possible bargaining chip—though actually selling these bonds is a separate decision フィナンシャルタイムズ+14AP News+14Reuters+14.
  2. Economic security and semiconductor cooperation
    Tokyo has offered multi-billion-dollar purchases of U.S. semiconductor products with subsidies, and hinted at buying U.S. defense equipment and expanding imports of corn and soybeans to help reduce the U.S. trade deficit AInvest.
  3. Alignment with EU in trade diplomacy
    Japan is building a competitiveness alliance with the EU, counterbalancing America’s aggressive 30% tariff posture and strengthening support for free trade Reuters.
  4. Political and diplomatic persistence
    Japan’s negotiators, including Minister Akazawa and PM Ishiba, continue ministerial-level talks ahead of the August 1 tariff deadline. Despite political uncertainties tied to Japan’s upper house election, negotiations persist Reddit+14Reuters+14フィナンシャルタイムズ+14The Washington Post+11Reuters+11Reuters+11.

Still, analysts warn Japan’s leverage is limited. Even with EU support, persuading the U.S. to lower a 25% tariff is difficult フォーチュン.


✅ 総評 / Summary

日本は財務・貿易・安全保障など様々な交渉カードを持ち、米国との対話に活用しています。しかし、現時点では決定的な切り札には欠けており、相手国の譲歩を引き出すための緻密な策略と柔軟性が今後の焦点です。

その他 アメ車が日本で売れないという話があったと思いますが・・・アメ車の輸入を倍増などとアピールすればいいように思います。

アメ車の日本市場でのシェアは0.2%未満という現状を踏まえると、「倍増」ではインパクトが弱いのが実情です。しかし、たとえば10年かけて販売台数を現在の8〜10倍、つまり年間5万台(市場シェア1%)まで引き上げるという目標であれば、米国側にも“成果”として提示しやすく、日本側にとっても達成可能な現実的ラインです。EV充電インフラや型式認証など、制度的な整備を進めることで、Win-Winの交渉材料となる可能性があります。

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