ローソンをたったの2戦でレーシングブルズに戻し、角田裕毅を載せたレッドブル。
そのあまりにもドタバタにはどうしたものかと思うが、同時に、角田裕毅が乗ったことで、レッドブルのマシンの課題も明らかになったとフェルスタッペンは語る。
実際の発言は記事から、以下のようなもの。
「ユウキの加入で、我々のマシンが難しいと明らかになった」
もっとも、車の好みが、フェルスタッペンはオーバーステア気味というのだから、これに合う人はあまりいないだろう。
しかし、本当のトップドライバーになるには、同じセッティングで走るべきなのだろう。
もっとも、レッドブルはセカンドドライバーの走るマシンにファーストドライバーと同じマシンは与えないのだが・・・これが角田が不振と見えた理由だ。
Yahoo!より、
「ユウキの加入で、我々のマシンが難しいと明らかに」 フェルスタッペン、角田の“苦戦ぶり”を振り返る「特にシーズン後半は…」【F1】
12/19(金) 18:34配信TheDIGEST

角田の加入で見えたレッドブルの課題
――フェルスタッペンが語った「難しすぎるマシン」の正体
レッドブル・レーシングは、2025年シーズン序盤という異例のタイミングでリアム・ローソンをわずか2戦でレーシングブルズへ戻し、代わって**角田裕毅を起用した。
このドタバタした人事は批判も多かったが、結果的にレッドブルのマシンそのものが抱える根本的な課題**を浮き彫りにすることになった。
フェルスタッペンが認めた「角田加入の意味」
この点について、**マックス・フェルスタッペン**は率直に語っている。
「ユウキの加入で、我々のマシンが難しいと明らかになった」
これは単なるチームメイトへのフォロー発言ではない。
経験・実績ともに十分な角田ですら扱い切れないマシンであることを、チームの絶対的エースが公に認めた発言だ。
フェルスタッペン仕様の“尖りすぎた哲学”
レッドブルのマシンは、もともとフェルスタッペンの好みに極端に寄せられている。
彼自身が好むのはオーバーステア気味でフロントが極端に効く挙動。
このセットアップに自然に適応できるドライバーは、実際ほとんど存在しない。
フェルスタッペンはインタビューで、角田のセッティング変更についても触れている。
「ユウキは当初アンダーステア寄りだったが、途中から同じ方向性を試した。
しかし、その結果ユウキのマシンはさらにアンダーステアが強まってしまった」
ここで重要なのは、同じ哲学=同じ結果ではないという点だ。
理論上は同一方向を目指しても、マシンの個体差や与えられる仕様が異なれば、挙動は大きく変わる。
セカンドドライバーに「同じマシン」は与えられない現実
表向きは語られないが、F1ではファーストドライバーとセカンドドライバーが完全に同一仕様のマシンを与えられることは稀だ。
レッドブルも例外ではない。
この構造を踏まえれば、
「角田が不振に見えた」
という評価そのものが、やや短絡的であることが分かる。
むしろ今回の一件で明らかになったのは、
- マシンの許容範囲が極端に狭い
- フェルスタッペン以外が適応しにくい
- チーム全体として開発の柔軟性を失っている
という、レッドブルの構造的な弱点だ。
ローソン降格が示したチームの焦り
フェルスタッペンは、ローソンを2戦で降格させた判断にも否定的だった。
「2レースで判断するのは時期尚早だ。
ドライバーがトップチームで活躍するチャンスを潰してしまう」
結果としてローソンはレーシングブルズで復調しており、
この人事がマシンではなくドライバーに責任を押し付けた判断だった可能性も浮かび上がる。
角田の起用は「失敗」ではなく「診断」
角田のレッドブル起用は、短期的な結果だけを見れば成功とは言いにくい。
しかし中長期的に見れば、
- マシン哲学の限界を可視化
- フェルスタッペン依存の危うさを露呈
- セカンドドライバー問題を再定義
という意味で、極めて重要な“診断”だった。
レッドブルが今後もトップに居続けるためには、
「最強の一人」に合わせ続けるのか、
「チームとして勝てるマシン」に舵を切るのか、
その選択を迫られている。
角田裕毅の加入は、その問いを突きつけた出来事だったと言えるだろう。


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