能登半島地震の復興はこれまでのパターンの繰り返しだが、それは地域の衰退を加速するだけ?

令和6年能登半島地震。

数多くの木造住宅が被災したが、直せば住めるものが多数だった。耐震補強は木造の場合は容易い。

にもかかわらず、全壊や半壊という壊れたというイメージだけで、解体が進む。

この傾向は、今回の能登半島ではさらに加速された。担当が環境省だから何も木造のことがわかっていない。

そのために、解体を急ぐのがいいことだとなる。

なんのため?それもろくに考えていないだろう。

新しく建てればいい、でも、どうやって?誰が?お金は?建て替えて何年住むの?

これらには、すべて分からない。自分の所管じゃないだけ。

そもそも、木造なんて研究者も少ない。大工も昔ながらの人は減っている。

修理して、耐震補強すれば20年くらいは大丈夫な物件はたくさんある。

それらが一律に被災したから、申し込み期限がすぐにくるから、無料だからと公費解体を選ぶ。

申し込み期限までに、建て直す目処が立たなくても・・・

ばかなことを繰り返してきて、最悪なのが今回の令和6年能登半島地震と後世に記憶されることだろう。

建て替えるというのは土建しか考えないから。

本当に大事なのはなにをおいても復興のスピードだ。同じ家があった場所で補修をする、建てるが最も早いのは間違いない。新築より補修、改修のほうが早い、安いは明らかだ。

時間が経てば経つほど、コミュニティは壊れていく。これが現実だ。

「公営住宅を待つ」「先に店舗を再開」「すぐに自宅再建」──。能登地震から2年 それぞれの事情と選択 #知り続ける能登 #災害に備える(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
おおまかに計算すると、もともと持ち家に住んでいたが、地震でそれを失った人の約半数が、自宅の再建を選ばなかったことになる。回答者の属性は、70代が最も多く、60代以上で約8割を占める。年金暮らし世

Yahoo!より、

「公営住宅を待つ」「先に店舗を再開」「すぐに自宅再建」──。能登地震から2年 それぞれの事情と選択 #知り続ける能登 #災害に備える

1/2(金) 10:00配信Yahoo!ニュースオリジナル特集

「公営住宅を待つ」「先に店舗を再開」「すぐに自宅再建」──。能登地震から2年 それぞれの事情と選択 #知り続ける能登 #災害に備える(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
おおまかに計算すると、もともと持ち家に住んでいたが、地震でそれを失った人の約半数が、自宅の再建を選ばなかったことになる。回答者の属性は、70代が最も多く、60代以上で約8割を占める。年金暮らし世

素人判断で壊しすぎる復興が、環境と地域を静かに壊している

災害後の「壊す判断」は、本当に合理的か?

令和6年能登半島地震と、その後の豪雨災害を経て、被災地ではいまも復興が続いている。
しかし、その過程で見過ごされがちな問題がある。それは、専門的な評価を経ないまま「危ないから壊す」という判断が繰り返されている現実だ。

実際、被災者の一人はこう語っている。

「ただ後日談になるんですが、うちは(2024年9月の)豪雨で崖崩れに遭いまして。後ろの山が崩れて中庭に土砂が流入し、山に亀裂も入っています。仮に補強していても、たぶんもうそこには住めていなかったと思います」

このケースでは、結果的に居住継続は困難だった可能性が高い。だが重要なのは、このような本当に危険なケースと、修復可能なケースが制度上ほぼ同じ扱いになってしまうことだ。

「壊す」判断がもたらす二重の損失

住宅を壊すという判断は、単に建物を失うだけでは終わらない。

  • 建設廃棄物の大量発生(コンクリート・木材・金属・断熱材など)
  • 再建のための新規資材の投入(CO₂排出・資源消費)
  • 居住者の生活再建の長期化
  • 地域コミュニティの消失

つまり「壊す」ことは、環境負荷・社会負荷・心理負荷を同時に生む行為でもある。

特に環境面では、解体と新築はもっとも炭素負荷の高い行為のひとつであり、「壊さなくて済むものを壊す」ことは、復興であると同時に環境破壊でもある。

高齢化社会における「再建できない」という現実

正院地区では、高齢者のみの農家が再建を断念し、廃業した例もあるという。

正院地区でも高齢者だけの農家には再建を諦め、廃業したところもあるという。谷内前さんはそういった農家に頼まれて田んぼのめんどうを見ている。

ここには単なる建物問題ではなく、人のライフサイクルと制度のミスマッチがある。

  • 高齢者にとって長期の再建プロセスは現実的ではない
  • ローンも組めず、補助制度も複雑
  • 結果として「壊す」→「戻れない」→「地域から消える」

という静かな人口流出が進む。

本来必要なのは「診断」だ

だからこそ、必要なのは「すぐ壊す」ではなく「まず診断する」ことだ。

「少しでも不安がある人は絶対に耐震診断を受けたほうがいいと思います」

耐震診断、地盤調査、斜面安定評価。
これらを踏まえて初めて、

  • 補強で済むのか
  • 改修で安全性を確保できるのか
  • どうしても撤退すべきなのか

という合理的な判断が可能になる。

「壊す」のではなく「選ぶ」復興へ

復興に必要なのは、壊すことではない。
選ぶことである。

  • 壊すべきもの
  • 直せるもの
  • 直すべきもの
  • 撤退すべき場所

を、技術とデータと人の事情を踏まえて選別すること。

それができなければ、復興はいつまでも「壊す→建てる→壊す」の循環から抜け出せない。

まとめ:復興は建設事業ではなく、社会の再設計である

復興とは単なる公共事業ではない。
それは、人がどこで、どう生き続けるかを再設計する営みだ。

素人判断で壊すことを繰り返せば、

  • 環境は壊れ
  • 地域は痩せ
  • 人は戻れなくなる

復興が遅いのではない。
復興の設計思想が、現実とずれているのだ。


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地震で潰れた納屋(谷内前さん提供)

妻と子どもたちを金沢市に避難させ、父母と自分、高校生だった長男は珠洲に残った。「敷居や鴨居を丸ノコで切って、それを筋交いにして1階部分を補強し、そこに住みました。配管工事ができる知り合いに井戸水を引いてもらったり、ガスの湯沸かし器をつけてもらったりして」 金沢市にある大手ハウスメーカーの展示場へ行ったのが2024年の1月末。すぐに購入を決めた。 「その時は、メーカーさんから『能登はまだ(営業の)ゴーサインが出ていないからちょっと待ってくれ』と言われましたね。保険がいくら下りるのかも自治体の支援金も決まってなかったけど、うちの家業だとどこかよそへ行くというチョイスはない。建てるしかないと思っていましたし、だったら耐震性能が高く、アフターサービスのあるところでと思いました」 この決断には伏線があった。谷内前さんのお宅では、数年前に大規模なリフォームをしていた。しかし、能登半島では地震がくり返し起きていて、2023年5月に最大震度6強の地震が発生。谷内前さんの家にも被害が出た。 「市で『無料で耐震診断します』というビラを配っていて、持って帰って親父と相談したんですが、もうこの規模の地震は来ないだろうと思って、受けなかったんです。でも、万が一来たら、絶対に危ないと思っていました。田舎の家で、広間の部分が弱いのはわかっていたので。まさにそこの柱が全部折れて、そっちに傾いた」

新しい自宅。もとの家が立っていた場所(崖のすぐ下)ではなく、道路を挟んだ田んぼ側の敷地を整備した(谷内前さん提供)

「ただ後日談になるんですが、うちは(2024年9月の)豪雨で崖崩れに遭いまして。後ろの山が崩れて中庭に土砂が流入し、山に亀裂も入っています。仮に補強していても、たぶんもうそこには住めていなかったと思います」 正院地区でも高齢者だけの農家には再建を諦め、廃業したところもあるという。谷内前さんはそういった農家に頼まれて田んぼのめんどうを見ている。 「少しでも不安がある人は絶対に耐震診断を受けたほうがいいと思います」

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