AIがニュースを正しく要約できないということで話題になったが、簡単に解決できる問題ではないようだ。世界中でこのようなことが起こっているということで、AIによるエージェントが使えるようになるのは、まだ、ということだ。
そのため、今の時点ではAI付きのブラウザとして、COMETなどが出てきているが、気をつけないといけないだろう。
Yahoo!より、
AIでニュース見るの、もうやめた方がいい? 誤報率は45%
10/27(月) 19:00配信GIZMODO

「AIがニュースを正しく要約できない問題 — 信頼できる情報源としては、まだ早い?」
導入:AIニュース要約の“落とし穴”
ヨーロッパ放送連合(EBU)が18か国・14言語にわたる調査を実施し、ChatGPT、Microsoft Copilot、Google Gemini、Perplexity など主要AIチャットボットの“ニュース要約・報道”対応を分析しました。報告によれば、回答の45%に重大な誤りが含まれており、ニュースをAIに任せるリスクが鮮明になっています。
このデータが意味するものは、AIが“ニュースを正しく要約できる代理ツール”として即時に信頼できるわけではない、という現実です。
1. 問題点の詳細:誤報率・根本原因
調査で明らかになった主な問題点は次の通りです。
- 重大な問題を含む回答:45%、小さな問題を含む回答:81%。
- 最大の原因は「情報源の欠如/誤引用/誤出典表示」で、約31%に該当。
- 次いで「正確性の欠如(古いデータ・ハルシネーション)」が30%。
例:ChatGPTが「現ローマ教皇はフランシスコ」と誤答。実際は別の教皇。 - AIモデル別では、Geminiが76%と最も誤りが多く、Copilot37%、ChatGPT36%、Perplexity30%。
つまり、AIによるニュース要約は、言語・地域・プラットフォームを問わず「体系的な欠陥」を抱えており、信頼を置くには慎重さが必要です。
2. なぜ“簡単には解決できない”のか?
AIニュース要約における主な困難は以下です。
- 情報が急速に変化する:ニュースは刻一刻と更新されるため、AIの学習データや更新タイミングが追いつかない。
- 文脈・見解の区別が必要:事実と意見、時系列の流れ、背景情報の理解が要求されるが、これはAIにとって難易度が高い分野。
- 情報源の透明性確保が困難:出典を明示しない・誤引用を含むケースが多く、信頼性に直接影響。
これらが組み合わさることで、単純に「AIにニュース要約を任せればOK」という状況には至っていないのです。
3. 今のところ有用でも“注意が必要”なAI付きブラウザ
例として、AI搭載ブラウザ Comet などが登場していますが、ニュース閲覧用として使用するには注意が必要です。
- AIが要約・解説を行うが、情報源が不明・ログイン情報が引き出せるというセキュリティ懸念も報じられています。
- つまり、AIブラウザ=便利、ではなく、「AIブラウザ+自らの検証」が必須の利用スタイルと言えます。
4. では、どうすればいいか?:ユーザー側の“防御策”
ニュースをAIで読む・要約させる際に、信頼性を高めるために以下の対策をお勧めします。
- 明示的に「ファクトチェックして」などの指示を出す:AIが自ら外部検索・最新情報を強制的に参照し、ハルシネーションリスクを低減。
- 出典(URL・媒体)を要求する:情報源を明らかにさせることで、ユーザー自身が再検証できる。
- AIだけに頼らず、複数媒体で裏付けを取る:AIは万能ではありません。伝統的な報道機関や専門サイトと併用を。
- 「最新性」「視点の明示」「意見と事実の区別」に注意する:ニュース特有の複雑性を理解して、要約結果を鵜呑みにしない姿勢を。
結論:AIニュースは“便利”だが“万能”ではない
AIがニュースを正しく要約できない問題は、技術的な未成熟という側面だけでなく、社会的・構造的な課題を含んでいます。
そのため、AIをニュースエージェントとして全面的に信頼するのは時期尚早。
とはいえ、適切な指示と検証プロセスを取り入れた上で、AIをニュース閲覧の補助ツールとして使う分には大きな価値があります。
“Check your facts”という指示ひとつで、AIの信頼性は格段に上がる。
ニュースを読む・共有する際は、AIを使いこなすユーザー側のリテラシーも同時に問われています。


コメント