Eコマースをするためのプラットフォームの整備は金がかかる。
そのために、Amazonなどを利用するのが一般的になっているが、問題はそうしたプラットフォーマーの独自ルールだ。基本的に、細かな配慮、チェック体制は整えられていない。
何か、問題があれば裁判でもすればいいという考え方のようだ。
こうした企業に小さな企業が対抗するのはかなり難しいことだが、このケースでは販売業者が勝訴したようだ。
Yahoo!より、
「めちゃくちゃや!」 アマゾンが勝手に正規品削除、販売業者の思い
4/25(金) 20:33配信 毎日新聞

記事より、
インターネット通販大手「アマゾンジャパン」(東京都)に賠償を命じた25日の東京地裁判決を受けて、アマゾンに出品した原告の企業側が記者会見し、「市場への影響力が大きい企業だからこそ、責任を果たしてほしい」と求めた。 【写真で見る】正規品にどれだけ似ている? 「偽造品だ」。2021年8月、アマゾンのサイトを見ていた医療機器販売会社「エクセルプラン」(神戸市)の社長だった藤井敬博さん(56)は直感した。 エクセル社は神戸市の製造会社の「パルスオキシメーター」を独占販売していた。血中酸素飽和度が測定できる機器で、新型コロナウイルスに罹患(りかん)した人の体調確認のために使われていた。 エクセル社の正規品は2万5740円なのに対し、酷似した偽造品の価格はわずか2200円。偽造品を手にした消費者から「中国製の商品が届いた」というクレームが相次いだ。 出品を止めてもらおうと、アマゾンに連絡したが事態は変わらなかった。逆に、エクセル社の商品が出品停止となり、サイトから消えた。アマゾンからは理由の説明もなかった。 約1億円あったアマゾン経由の売り上げは2カ月後には約61万円まで減少した。「めちゃくちゃや!」。泣き寝入りはできないと司法に救済を求めた。 25日の判決はアマゾンがきちんと調査しなかった点を「故意または少なくとも重過失がある」とし、プラットフォーマーに偽造品への対策を求めた。 藤井さんは記者会見で、「自分以外にも偽造品を削除してもらえずに、苦慮している出品者は多い。(偽造品が流通しなくなれば)消費者のためにもなる。企業として重く受け止め、変わってほしい」と訴えた。
コメント(日本語):
Amazonのような巨大プラットフォームに依存することは、販売の効率化という意味では非常に有効ですが、その一方で非常に大きなリスクも伴います。今回の判決はまさにそのことを象徴する出来事でした。
正規品を販売していたにもかかわらず、Amazon側の一方的な判断で出品停止にされ、説明すらない。その結果、売上は1億円から数十万円に激減。しかも、偽物は放置されたままというのは明らかに不公正です。
Amazonは、販売者からすればインフラと同じほど重要な存在ですが、その運用は極めて不透明で、異議申し立ての手段も限られています。こうした「巨大だが責任を取らない仕組み」に中小企業が巻き込まれ、泣き寝入りせざるを得ない構図は放置できません。
今回の判決は、プラットフォーマーがその社会的責任と運営体制の整備を求められる時代に入ったことを示しています。利用する側も「使いやすさ」の裏にあるリスクを認識し、自社サイトや複数チャネルを持つなど、依存度を下げる戦略を検討すべきでしょう。
Comment (English):
Relying on massive e-commerce platforms like Amazon offers convenience and reach, but also comes with serious risks. This recent court ruling in Tokyo clearly illustrates that imbalance of power.
In this case, a legitimate seller of medical devices had its authentic product listings removed by Amazon, while counterfeit versions remained available. The result? A devastating drop in sales — from over 100 million yen to just 610,000 yen — and no explanation from Amazon.
Amazon and similar platforms now function as public infrastructure for many small businesses, yet their internal processes are often opaque, and appeal mechanisms are limited or ineffective. The court rightly pointed out that Amazon’s handling of this case involved gross negligence.
This ruling signals a turning point: platform providers must be held accountable for how they handle counterfeit issues and how they impact legitimate sellers. For merchants, this is a wake-up call to reduce dependency on a single platform, diversify sales channels, and protect their businesses from unilateral decisions made without due diligence.

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