生きる。「東日本大震災」生き残りし者の記

工藤幸男 著 株式会社日本文芸社
岩手県立大船渡東高校国語科教論で大船渡東高校で被災。住居のあった岩手県陸前高田市が大津波によって壊滅的な被害を受け、妻と次男の二人を亡くした。
日記的に被災地の出来事が記されており、震災直後、から、時間を置いて気持ちや、環境が変化していく様がわかり、時系列で被災地を体感できるもの。
たとえば、3/16 五日目ー政府のトップはなぜこない:昨日のフランス取材チームといい、隣の被災者一家にいる中国出身のお嫁さんといい、彼らの共通の疑問は、なぜ政府のトップがお見舞いに飛んでこないのか、なぜテレビで保障のこととかお見舞い金のこととかをすぐ国民に向かって告げないのか、ということ。確かにその通りだ。枝野さんは原発のことばかりだし、あれ(菅直人)さんは?
また、避難所でのテーマはやはり、トイレのこと。食べればでるのは当然で、その日常では普通のことが、下水の止まった被災地では衛生上の問題を引き起こす重要なポイントだと分かる。
また、
・5/11 やはり、がんばれない:がんばるほど、やはりできないのだ。津波を目撃した人は、たとえ生き残っても魂を抜かれるなどとテレビで言っていた人が居たが、目撃はしないまでも、肉親と家を奪われてしまうと、お腹に力が入らないのだ。がんばれないのだ。
こういうことは被災地にかかわる人は知っておくべきだろう。がんばろう日本という言葉は私は使うべきでないと強く思う。
なかなか、こうしてさらけ出すような内容は書ける人がいないと思うが、きちんと記してくれたことには感謝したい。

生きる。―東日本大震災‐生き残りし者の記

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