OpenAIがGemini3対策としてChatGPT5.2を発表。
処理できるトークンの数はあまり変わってないようだが、どこまで追いついたのか?
実務での実用性が向上したということで、ますますホワイトカラーの職が減ることだろう。
ただし、Yahoo!ニュースのコメントを見ると、Gemini3の優位は変わらないようだ。
まだ、これからとのことなので、期待したい。
Yahoo!より、
ChatGPT新モデル「GPT-5.2」公開 資料作りが「ヒトと同等以上」に 知的労働の代替加速
12/12(金) 7:03配信CNET Japan

GPT-5.2とは?OpenAI最新生成AIモデルの特徴・料金・活用シーンを徹底解説
メタディスクリプション案(SEO用)
OpenAIの最新モデル「GPT-5.2」が登場。GPT-5.1から大幅に進化し、資料作成・コーディング・AIエージェント運用・長文処理など知的生産を強力に支援します。主な機能・性能比較・料金まで分かりやすく解説。
GPT-5.2とは?GPT-5.1から何が変わったのか
日本時間2025年12月12日未明、OpenAIは新しい生成AIモデル**「GPT-5.2」を発表しました。
前モデルのGPT-5.1**から大きく性能を引き上げ、特に次のような用途を意識して設計されています。
- 専門職レベルの知識労働の支援
- 長時間動作する自律型AIエージェント(AIエージェント / AI Agent)
- 大量のドキュメントやコードを扱う業務
キーワードで言えば、GPT-5.2は「知性(精度・推論力)+生産性(速さ・コスト効率)」の両方を強化した「実務特化型の最新LLM(大規模言語モデル)」という位置づけです。
実務能力の向上:人間の専門家と“ほぼ同等”の場面が7割に
OpenAIは、企業の実務に近い44種類の業務タスクでGPT-5.2を評価しています。対象となったのは例えば:
- PowerPointやレポートなどの資料作成
- Excel/スプレッドシートの設計・関数構築・自動化
- 業務マニュアルの作成・更新
- 調査レポート・分析メモの作成
この評価では、
約7割のタスクで、GPT-5.2は「人間の専門家と同等かそれ以上」の品質
を示したとされています。
しかも、同じ品質の成果物を、
- より短い時間で
- より低いコストで
作成できることをアピールしており、企業にとっては**「知的労働の生産性を底上げするモデル」**としての位置づけが明確になりました。
コーディング性能:SWE-Bench ProでGPT-5.1を上回る
エンジニアにとって重要なのが、コーディング能力です。GPT-5.2では、実務に近いソフトウェア開発タスクを集めたベンチマーク**「SWE-Bench Pro」**で、前世代のGPT-5.1を上回るスコアを記録したとされています。
強化されたポイント
- 複数言語にまたがるバグ修正
例:Python+TypeScript+SQLなど、バックエンド〜フロントエンドをまたいだ修正。 - 機能追加の実装支援
仕様を渡すと、既存コードに組み込んだ形で提案。 - 大規模コードベースのリファクタリング
ファイル構成の整理や命名規則の統一など、面倒なリファクタを自動支援。 - コードレビューとバグの自動検出・修正
レビューコメントとパッチ案を同時に提示。
特に、
フロントエンドや3D表現を含む複雑なUIの実装で性能が向上
したとされており、Webフロントエンド・ゲーム開発・3D可視化など、これまでAI支援が難しかった領域での活用余地が広がっています。
「間違えにくさ」の改善:誤回答が約3割減少
生成AIの課題として常に指摘されるのが「**ハルシネーション(もっともらしい誤回答)」**です。GPT-5.2では、この点も重要な改良ポイントになっています。
OpenAIの内部評価によると:
- GPT-5.1と比べて、
誤回答を含む応答の割合が約3割減少 - これは、
- 検索ツール併用時
- ツールを使わない素のチャット時
の両方で確認されているとされます。
その結果、次のような場面での信頼性が向上したとされています。
- 調査メモ・レポート作成
- ファクトチェックを含むリサーチ作業
- データを踏まえた意思決定の補助
- 日常的な文章作成・要約・翻訳
「とりあえずAIに下書きを書かせて、最後に人間がチェックする」というワークフローが、より実務レベルで回しやすくなるイメージです。
長文処理:256kトークンまで高い精度で推論
GPT-5.2は、**長大なコンテキスト(入力)**の処理能力も強化されています。
- 最大 256kトークン の入力に対応
(膨大なレポート・契約書・ログ・議事録などを一括投入可能) - 複数文書にまたがる要約・比較・差分抽出・論点整理でも高い正答率を示したとされています。
想定される活用シーンとしては:
- 数百ページ規模の調査報告書や技術資料の要約
- 複数契約書の条文比較・リスク抽出
- 大量の議事録・メモからの論点整理・タスク抽出
- コードベースと設計書をまたいだ仕様整合性チェック
など、「人間だと読むだけで心が折れる量」を、AI側に“前処理”させる使い方です。
画像理解:グラフ・業務アプリUIに強くなる
GPT-5.2は、テキストだけでなく**画像理解(マルチモーダル)**も強化されています。特に:
- 科学論文のグラフ・図表の読み取り
- 業務アプリ画面・ダッシュボードUIの解釈
で、誤りがおおむね半減したとされています。
具体的にできることのイメージ
- 論文のグラフを見せて「この図が示している結論を説明して」と指示
- BIツールやSaaSの画面スクリーンショットを渡して、
- どの数値が悪化しているのか
- どのボタンを押せば設定変更できそうか
などを説明させる
「画面をキャプチャしてAIに聞く」という使い方が、より実務レベルで行いやすくなる方向性です。
エージェント性能:外部ツール連携での“途切れにくさ”が向上
GPT-5.2は、単なるチャットボットではなく、「エージェント(AIエージェント)」としての性能も重視されています。
通信業のサポート業務を模した評価では:
- ツール呼び出しの正確さが過去最高レベル
- 条件の分岐が多い、複雑な問い合わせでも
- 会話が途切れにくい
- 間違ったツールを叩きにくい
という結果が示されたとされています。
ここでいうツールとは、例えば:
- 社内DBへのクエリ
- 在庫・契約情報の検索API
- チケットシステムへの登録・更新
- 外部SaaSのAPI
など。
**「チャットしながら裏側でAPIを叩き続けるAIオペレーター」**のような使い方が、より現実的になってきます。
科学・数学・抽象推論:専門研究にも踏み込むレベルへ
GPT-5.2は、科学・数学・抽象推論のベンチマークでも、過去最高水準のスコアを記録したとされています。
主なベンチマーク
- GPQA Diamond
大学院レベルの理数系問題を集めた評価セット。 - FrontierMath
高度な数学問題を解くためのベンチマーク。 - ARC-AGI / ARC-AGI-2
抽象的なパターン認識・推論力を測るテスト。
特に、
ARC-AGI-2で「連続的に思考を展開するタイプのモデル」として最高スコア
を記録したとされており、
- 未知の課題に対しても
- 自分で仮説を立て
- 一貫した思考プロセスで解決策を探る
といった「汎用的な推論力」が強化された点が強調されています。
また、統計学の未解決問題の一部で、GPT-5.2が提案した証明を研究者が検証し、「有望な成果」が得られた事例も紹介されています。
これは、「AI=論文の要約係」から「AI=共同研究者」へと役割が変わりつつあることを示唆しています。
安全性の強化:未成年・メンタルヘルスへの配慮
性能向上と同時に、**安全性(AI Safety)**の面でも調整が入っています。
- 自殺・自傷行為を示唆する発言に対する不適切な応答を抑制
- 年齢推定モデルを導入し、
未成年ユーザーには自動でコンテンツ制限をかける仕組みを整備
一方で、OpenAIは
「GPT-5.2は知性と生産性の両面で大きな前進だが、まだ改善すべき点は多い」
とも述べており、
「過度な拒否応答の緩和」と「安全性」のバランス調整を今後も続けるとしています。
GPT-5.2の提供形態と料金:Plus/Pro から Enterprise まで
ChatGPT(チャット)での提供
有料プラン向けに、GPT-5.2が順次提供されます。
- ChatGPT Plus
- ChatGPT Pro
- ChatGPT Go
- ChatGPT Business
- ChatGPT Enterprise
などのプランから利用可能とされています。
APIでの提供
開発者向けには、用途に応じて次のエンドポイントが用意されます。
- gpt-5.2
「Thinking」版。じっくり考えさせる高精度モデル。 - gpt-5.2-chat-latest
高速なInstant版。対話アプリ・チャットボット向き。 - gpt-5.2-pro
最上位のPro版。高負荷・高難度の業務向け。
料金
標準モデルのGPT-5.2では、APIの参考価格として:
- 入力:100万トークンあたり 1.75ドル
- 出力:100万トークンあたり 14ドル
とされています。
単価としてはGPT-5.1より高めですが、
トークン効率の向上により、「同じ品質を得るための総コスト」はむしろ下がるケースも多い
と説明されています。
少ないトークンでより的確な回答が返ってくるなら、実務上の「1プロジェクトあたりのコスト」は十分競争力がある、という考え方です。
まとめ:GPT-5.2は誰のためのモデルか
最後に、GPT-5.2が特に刺さるユーザー像を整理すると、こんなイメージになります。
- コンサル・企画・研究職など、資料作成とリサーチが多い人
- フロントエンドや3D UIを含む複雑な開発案件を抱えるエンジニア
- AIエージェントを活用して業務プロセスを自動化したい企業
- 長大な契約書・レポート・コードベースと日々格闘している人
- 数学・統計・科学分野でAIを「相棒」として使いたい研究者
GPT-5.1世代でもすでに「便利だな」というレベルでしたが、GPT-5.2では、
「便利」に加えて、「任せられる場面」が着実に増えつつある
という方向性が見えてきます。
今後は、
- どの業務をGPT-5.2に任せるのか
- どこから先を人間が判断するのか


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