大型店舗ができる際には必ず交通計画で問題がないかチェックがなされる。しかし、今の日本の交通計画はデタラメで大型店舗の立地は素通りでOKになってしまう。結果、大渋滞が発生ということが繰り返されている。
今回のケースはメインのアクセスとなる幹線道路は渋滞せずに周りの裏の生活道路が混むという話だが、こうしたことも予測できないのが今の日本の交通計画技術レベルなのだ。これは、渋滞シミュレーションでは「平均値」ベースの処理が多く、ナビ誘導、イベント集中、抜け道利用といった実態を再現できない。そもそも交通需要予測が現状の把握が数少ない交通量調査なので精緻な予測ができないという問題がある。
今回のケースは、新たに道路を整備するということなので対策はなされるが、それは税金を投じることによるもので、本来、立地の際に検討して追加の公共施設の整備が必要な場合に誰が負担をするのかを協議することが必要だが、交通計画技術が未熟なので、そうしたことも開業しないとわからない、状態なのだ。
Yahoo!より、
コストコ開業で…生活道路に流入する車両増加 店舗南側に新たな市道を整備へ 山梨
5/13(火) 19:55配信 YBS山梨放送

山梨県南アルプス市にコストコが開業して1か月が経つ中、周辺の生活道路に流入する車両が増えています。そのため、市は新たに市道の整備を決めたことが市への取材で分かりました。コストコ開業前に懸念された周辺の幹線道路の渋滞ですが、これまでのところ目立った渋滞はほとんど確認されていません。 一方、市民が使う生活道路では… 南アルプス市民は 「やっぱりコストコが始まってから、通るのが増えるのは増えた。目に見えて分かる」 コストコの利用客とみられる車両の通過が相次ぐようになり、市には「車がスピードを出しすぎている」などの苦情が寄せられています。 コストコ周辺の渋滞を回避しようとカーナビが案内する生活道路に流入しているとみられ、市は5か所に看板を設置して通行を控えるよう呼びかけています。 こうした中、市がコストコの店舗南側に新たな市道の整備を計画していることが分かりました。新たな市道はコストコ南側から県道につながる約280メートルでの道路で現在、用地取得を進めているということです。
日本語コメント
大型店舗ができるたびに“生活道路が地獄絵図”――交通計画はいつまで“見切り発車”を続けるのか。
今回の山梨・コストコのケースでも、幹線道路は問題なくても生活道路に抜け道としての負荷が集中。
つまり、交通量の分散パターンやナビ誘導の影響すら読み込めないのが、今の日本の交通計画の限界なのです。
本来、大型商業施設の立地時には影響調査と公共インフラ整備の責任分担を事前に協議するのが国際的な常識。
ところが現状では、「開業してみないとわからない」→「苦情殺到」→「慌てて市が税金で道路整備」という、計画の体をなしていない対応が繰り返されています。
しかも裏道が混雑すること自体は技術的には予測可能なはず。
今の制度は、“形式的な”交通影響評価で建築確認を通してしまう点にこそ問題があります。
道路整備そのものは歓迎すべきですが、それが税金で“後始末”されている限り、根本的な構造は変わりません。
交通計画もまた、技術だけでなく制度と責任分担の見直しが求められています。
English Comment
Every time a big-box store opens, local streets get swamped—because Japan’s traffic planning is stuck in “react mode.”
In the case of the new Costco in Yamanashi, major roads remained clear, but traffic spilled into narrow residential streets, driven there by navigation apps and poor planning foresight.
This isn’t an unpredictable outcome—it’s a predictable failure. Yet, in Japan, large commercial developments often get approved with incomplete or symbolic traffic impact studies, only for local governments to scramble with taxpayer-funded roadworks after the fact.
What’s missing is a robust pre-opening agreement: If a new store will cause traffic shifts, who pays for the new roads, signage, and safety measures? The answer shouldn’t always be “the city budget.”
It’s not that the technology to model these effects doesn’t exist—it’s that the will to enforce proper planning and cost-sharing is lacking.
Until that changes, residents will keep footing the bill for private-sector expansion, one traffic jam at a time.

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