AIに相談する時代。ChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)の活用は人間の話相手となっている現実がある。
良し悪しがあるのだが、一般的な意見をもらうには、知識を得るには良い部分はある。
個人情報の漏洩リスクがあるので、少なくとも、無料版では個人情報の入力はやめた方がいい。
もちろん、有料版でも完璧ではないと思われるが、ローカルLLMで匿名化処理をしてからオンラインで相談するなどのワンステップが必要だろう。
久しぶりに野口悠紀夫氏の著作を読んだ。いつもの様に、興味深い。
Yahoo!より、
ついにSNS時代は終了か…課金6.5倍に爆増中、Z世代がハマる「AIコンパニオン」の衝撃
10/6(月) 6:40配信ビジネス+IT

記事より、
感情を共有できる相手は、母親や親友などではなくなった。生成AIがそのトップの地位を獲得したのだ。実際に、AIが人間の相談や悩みに答えるAIモデル「AIコンパニオン」がいくつも登場しており、これが今、特に若者の間で広まり始めている。SNSに取って代わる存在になるともされているが、本当にそんなことが起き得るのだろうか。
タイトル
「GPT-5への反発とAIコンパニオン急増:生成AIと共感の皮肉な関係」
本文
GPT-5移行の反発と「感情応答」の価値
2025年8月、OpenAIがChatGPTを従来の GPT-4o から GPT-5 へ切り替えようとしたところ、多くのユーザーから反発の声があがったという報告がある。
そのため、OpenAIはGPT-4oの提供を継続する措置を取らざるを得なかった。
この現象は、ただの技術的な後退ではない。
多くのユーザーが求めていたのは、AIが「優しい言葉をかけてくれる」「応答が過度に批判的でない」性質だ。
完全な論理応答や性能向上だけでは、人間の心を支えるには足りないのだ。
私自身も、GPT-5への全面切り替えに抵抗を感じ、GPT-4oを使い続けている。
同じように感じているユーザーは少なくないだろう。
生成AIが、利用者のセンシティブな相談に対して 人格を傷つけるような応答をしない ことには、強い信頼を置いている人が多いからだ。
しかし、この信頼が過度になると、危険も生まれる。
過度な依存、対人関係の希薄化、心理的負荷の放置。
米国の少年の自殺、ベルギーの研究者の自殺事件を考えれば、これは決して「特異例」ではなく、条件次第で世界中で起こり得るリスクと言える。
したがって、AIには「自殺勧奨などを絶対にしない」ような制約(いわゆるセーフガード)が不可欠だ。
共感AIを悪用させないための法整備、技術的なガードレールを早急に整える必要がある。
ただし、「共感するAI」そのものが悪いわけではない。
AIとの共感を心の支えにすることもできる。だが、他者とのコミュニケーションが代替される状況になれば、危険信号になる。
これは若年層だけの問題ではない。高齢者や一人暮らしの方にとって、AIが「最後の聞き手」になる社会は極めて脆弱になりうる。
AIコンパニオン市場の急拡大と中毒性
「AIコンパニオン(Emotional / Companion AI)」というカテゴリが急激に成長している。
単なるチャットボットではなく、人格性を帯びた「話し相手AI」だ。
- TechCrunchの記事によれば、2025年7月時点で、AIコンパニオンアプリは 2億2100万ドル の支出を記録しており、2024年比で64 %の成長。 TechCrunch
- 一方、MIT Technology Reviewは、AIコンパニオンを「デジタル中毒の最終段階」になりうると指摘しており、立法者による規制検討も進んでいる。 aitopics.org+1
- 市場調査によれば、AIコンパニオンアプリ市場は2024年には約141億ドルと評価され、今後年率20〜30%近くでの成長が見込まれている。 Global Market Insights Inc.
これらのデータは、AIコンパニオンが今やニッチな存在ではなく、日常化しつつあることを示している。
このような急成長は、ソーシャルメディアのような注意の獲得競争とは異なる新たな中毒性を示す可能性がある。
AIは“あなたを非批判的に受け入れる存在”として設計され得るため、「常にそばにいて、絶対否定しない友人」感を提供しうる。
この点で、AIコンパニオンは人間の友人よりも“感情的安全地帯”になってしまう危険性がある。
バランスの取れたAIとの付き合い方を模索する
AIと「共感」を求めあうこと自体は否定すべきではない。
だが、過度な依存に陥ると、以下のような問題が出てくる:
- 他者との会話や関係が希薄になる
- AIの意見を鵜呑みにするようになる
- 心理的孤立感が強くなる
- AIが関与できない人間的な課題(道徳・判断・失敗)に対処できなくなる
特に高齢者など、現実の人間関係が減った層にとっては要注意だ。
AIが唯一の“話し相手”になると、孤立と幻想の混合が進む。
私は、生成AIと共感を共有することは許されると考えるが、それは人間関係の補完でなければならない。
AIとの関係が「主役」になってはいけない。
世代を問わず、適切な距離とバランスを持つことがこれからの課題



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