FIAがPU救済策を拡大——ホンダF1は大惨事から立て直せるのか
FIAが、2026年F1パワーユニット規定の救済制度であるADUO、つまり追加開発・アップグレード機会の運用を見直しました。報道によると、性能不足のPUメーカーに対して、追加の開発機会、ダイノ使用時間、予算面での柔軟性を与える仕組みで、当初の評価スケジュールも変更されています。
今回のポイントは、最大支援対象となる性能差の基準が、従来の8%から10%へ拡大されたことです。さらに2026年限定で、追加の予算枠が認められるとも報じられています。Grandprix.comは、追加800万ドルの allowance が加わったと報じ、別報道では10%以上遅れたメーカーには最大1100万ドルの追加予算枠が認められるとの説明もあります。金額の表現には報道間で差がありますが、FIAが苦戦するPUメーカーへの救済幅を広げたことは共通しています。
この制度は、ホモロゲーションでPUの基本仕様が固定されたあと、性能不足のメーカーが何年も競争力を失ったままになることを避けるためのものです。Sky Sportsも、ADUOはベンチマークから遅れるPUメーカーに開発機会を与える仕組みだと説明しています。
問題は、この救済策が誰を助けるのかです。報道では、アストンマーティン・ホンダのPUが競争力と信頼性の両面で苦戦しているとされ、ホンダが恩恵を受ける可能性が指摘されています。Motorsport.comも、ホンダが開発で後手に回っており、競争力不足と初期の信頼性問題に直面していると報じています。
ただし、救済策があるからすぐに速くなるわけではありません。ダイノ時間や予算枠が増えても、問題の原因を正確に特定し、改善部品を設計し、信頼性を確保し、実戦に投入する必要があります。PUは単に馬力を増やせばよいものではなく、燃費、回生、冷却、信頼性、車体とのパッケージングまで一体で成立するものです。
また、2026年からのF1は、内燃エンジンと電動側のバランスが大きく変わった新時代です。しかし、その新規定自体も不評を受け、2027年から内燃エンジン側を強め、電動側を弱める方向で議論されています。Reutersは、2027年から燃焼エンジン側を約50kW増やし、電動側を約50kW減らす方向だと報じています。
つまり、ホンダにとっては二重の難しさがあります。今のPUを立て直す必要がある一方で、ルール自体も動いている。さらにアストンマーティン側の車体性能、空力、冷却、タイヤ運用も絡むため、PUだけを直せばすべて解決するとは限りません。
一方で、これはチャンスでもあります。苦戦しているメーカーに追加開発の余地が与えられるなら、ホンダは巻き返しの道を得ることになります。今の評価が「大惨事」だとしても、救済策を使ってPUを改善し、アストンマーティンの車体開発と噛み合えば、評価を変えることは可能です。
ただし、厳しい見方をすれば、救済が必要なほど落ち込んだとも言えます。F1で救済策という言葉は、ありがたい反面、屈辱でもあります。ホンダが本当に名誉を取り戻すには、追加予算を使えることではなく、結果で示すしかありません。
ホンダは救済が必要なほど落ちぶれたのか。
PUの作り直しで立て直せるのか。
予算を使っていいと言われても、開発資源が足りなければ酷な話。
今の大惨事を、大賛辞に変えられるかが勝負ってこった。


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